基礎知識 犬の発情期と避妊・去勢手術

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ペットの避妊・去勢手術については、様々な考えや意見があります。「自然に反する」「かわいそう」と思っている方も多いと思います。しかし、繁殖の予定がないのにそのままにしておくと、望まない妊娠をしたり、生殖器系の病気にかかりやすくなったり、性的欲求からくるストレスに悩まされたりなど、様々な問題が起こるといわれています。また、年間数十万頭の子犬が殺処分されているという現実もあります。将来的なことや愛犬とのライフスタイルを考え、家族や周りの人によく相談したうえで、後悔のない結論を出してください。
犬の発情期について

発情期」は“シーズン”“ヒート”など人によって様々な言い方がありますが、いわゆる「生理」のことです。

メスの発情期はおよそ年に2回。小型犬で生後7〜10ヶ月頃、大型犬で生後8〜12ヶ月頃に最初の発情を迎えます。その後、6〜7ヶ月周期でやってきます。

発情を迎えると外陰部が腫れ、約10日間ほど出血します。出血の色が徐々に薄くなると排卵が起こり、約1週間オスを迎え入れる交尾適期に入ります。オスとメスが交尾をするのはこの時期で、受精が成立すると妊娠します。

一方オスは特定の発情期はなく、生後7ヶ月〜12ヶ月程で性成熟を迎えるといつでも交尾が可能になります。ただ、年中発情しているのではなく、発情中のメスが発するフェロモンに刺激され、発情します。

発情中に気をつけること

愛犬の避妊・去勢について迷っていたり、繁殖を考えている場合に発情中に気をつけることは、まず犬が集まる場所には行かないこと。

メスが発情中に発するフェロモンは周囲のオスを刺激し、メスを巡ってケンカになることもあります。このフェロモンは2km先のオスまで刺激するといわれています。散歩もできるだけ他の犬が少ない時間帯に変え、体調が悪いようなら無理に散歩させないように。

また、出血の量は個体差があります。量が多い場合には、室内や公共の場を汚さないように犬用の生理パンツなどをはかせておくと良いでしょう。量が少ない子は舐め取ってしまって、発情前期が来たかどうか不明な場合もあるので日頃からよく観察しておくことが大切です。

避妊手術・去勢手術について

メスの避妊手術
卵巣と子宮を全摘出する方法がほとんど。開腹手術になるので入院が必要。入院期間は病院によって様々だが、最低でも1〜2日。手術費用は3万円程度。手術時期は最初の発情を迎える前が理想的。

オスの去勢手術
睾丸を摘出する方法が一般的。手術の時間も比較的短時間で基本的にその日のうちに帰れます。手術費用は1万5000程度。手術時期はマーキングを始める生後6ヶ月頃が一番良いとされている。

手術は麻酔や手術中の事故の可能性もあるので事前にしっかり診察・検査し、信頼できる獣医師のもとで手術を行うことが大切。また、手術時期は犬が年をとるごとに、体の負担が大きくなるので、性成熟を迎える前が理想的です。
※自治体によって去勢・避妊費用の一部を援助してくれる補助金制度があります

避妊・去勢のメリットとデメリット
望まない妊娠が避けられ、不幸な子犬を減らすことができる
多くの生殖器系の病気の予防になる
発情期の性的欲求によるストレスから開放される
他の犬なのに対する攻撃性が軽減される
ストレスと病気が軽減され長生きできる確立が高くなる
発情に関連した問題行動が軽減される
発情期の散歩や遊びなど、制限されない
健康な体にメスを入れることになる
繁殖をさせたくなっても二度とできない
肥満になりやすくなる
麻酔・手術の際の事故の危険